研究会、ゼミ概要

主宰者より

研究会参加動機

ゼミ日程(2018年)

装身具ハンドリング作品

ゼミに参加して

ジュエリー文化史サロン・特別講演会

論考・研究レポート・エッセーなど

文献資料

参考:伝統装身具ネット図鑑

会員へのお知らせ

会員限定ページ

主宰者より

「日本の装身具ハンドリングゼミ」開講にあたって 主宰 露木宏

(初回配布資料に一部手を入れたものです)

(1)さまざまな日本の伝統装身具に触れ、感じることによって−
   ○装身具に込められた日本人の美意識
   ○日本人の宝石・素材観
   ○装身具の造形観(ものづくりの美学)
などを探り、最終的には日本人にとっての装身具の意味や価値(装身具観)を解明できればと思っています。

(2)定例会概要ー以下のように進めていきます。
・年4回×3年で計12回の予定
・1回30作品前後のハンドリングで、各時代(江戸中期〜昭和初期)の代表的装身具約360作品を手に取り、学び研究する。
・印象に残る一点を選び、研究会HP(新設、http://www.j-bunka.jp/)に各自の作品解説(100〜200字位)を掲載・公開したい。
※集まった原稿から掲載する(了解の上、一部手を入れさせていただくこともあります)
・ゲスト講師を招いての「文化史サロン」や「ワークショップ」なども行っていきたい。

(3)計12回のゼミでハンドリングするもの
戦前、昭和初期までの日本の主な伝統装身具には次のようなものがある。一部ないもの(襟留)以外は全てのアイテムについてハンドリングします。

アイテム

男・女

和装・洋装

主に使用された時代

日本髪用髪飾り(飾り櫛、笄、簪)

女性

和装

江戸中期〜昭和・戦前(一部、現代まで)

束髪用髪飾り(束髪櫛、束髪ピン)

和装

明治中期〜昭和・戦前(一部、現代まで)

帯留

和装

明治前期〜昭和・戦前(一部、現代まで)

指輪

男女

和装・洋装

明治前期〜現代

襟掛け式時計鎖(懐中時計用)

女性

和装

明治40年前後〜大正初期

首掛け式時計鎖(懐中時計用)

和装

明治40年前後〜大正10年頃

襟留

和装

明治40年前後〜明治末頃

はおり紐(鎖)

和装

明治40年〜戦前・昭和初期
(一部、現代まで)

短鎖(懐中時計用)

和装

大正5年頃〜大正10年頃

首飾り(ネックレス)

洋装

大正10年頃〜現代

ペンダント

洋装

大正10年頃〜現代

ブローチ

洋装

大正10年頃〜現代

懐中時計鎖

男性

洋装・和装

幕末〜戦前・昭和初期

ネクタイピン

洋装

明治後期〜戦前・昭和初期

カフス

洋装

明治後期〜現代

バックル

洋装

明治後期〜昭和40年代頃

コートチェーン

洋装

大正〜戦前・昭和初期


・.女性用の伝統装身具には3タイプある
  (1)和装(着物)用→髪飾り、帯留、はおり紐(鎖)
  (2)洋装(洋服)用→ネックレス、ペンダント、ブローチ(大正12年、関東大震災以降)
  (3)和装(束髪)につけた洋風装身具→襟留、首掛け式時計鎖、短鎖、束髪櫛、束髪ピンなど
  (4)和装・洋装兼用→指輪

以上が日本の装身具ハンドリングゼミの概要です。
このようなハンドリングゼミは始めてのことであり、途中、予定通りに進行しないこともあるかもしれませんが、帳尻は合わせたいと思います。
どうぞ、なるべく休まないで出席してください。
では、これから一緒に学び研究していきましょう。






きっかけ 戸倉博之

この会を造るきっかけは、私が90年代最後の年にロンドンにてオークション会社のサザビーズで「Understanding Jewellery」という本のタイトルを基にした西洋アンティーク・ジュエリー史のコースを学んだ事に、はじまります。
ここでは、オークション前のプレヴューと呼ばれる下見会に展示される前のジュエリーを受講生が実際に手に取って学びます。
時代背景や風俗、作品の技法、スライドによるテスト、宝石学(宝石学はFGA本部の講師が担当、現在、FGAディプロマは日本宝飾クラフト学院宝石学部で日本語で学べます。)、入落札の仕方、ジュエリーのお手入れや取り扱い、修理修復、オークションカタログの制作現場見学、ジュエリーの写真撮り(物撮り)の仕方、ブランド研究、フィールドワークとして大英博物館の館長によるジュエリーの間を貸しきって見学したり、ヴィクトリア&アルバート美術館に赴いたりして学びました。
現在、このコースは存在しません。
その時、このスタイルを、いつか日本のジュエリー、装身具で、学べたら、さぞかし楽しいだろうな!と漠然と思いました。

時が流れ、訳有ってジュエリーの加工製作の世界が観てみたくなり、日本宝飾クラフト学院の製作コースの門を叩きます。
下手なりにも体験すると、もっといろいろと日本の技を知りたくなります。
あの時の思いがよみがえってきて、本格的に実現の為のプロセスを頭の中で構築することになりました。
西洋のジュエリーを学ぶ講座は、たくさん有っても、日本のジュエリーを系統立てて学ぶ機会は無い、世界でも類を見ない稀有な存在に出来る!、そんな思いを日々募らせていました。
そんな時、去年の7月20日に銀座のリクシルギャラリーで開催された「聖なる銀 アジアの装身具」の講演会で、露木先生にお会いしました。
その後、手紙のやり取りを経て、9月5日に初会合、ジュエリー文化史研究会の叩き台を造ることの第1歩、僕の思いをぶつけることになります。
後は何時もの病気、居ても立ってもいられなくなってどんどん行動していました。
そして出来上がったのが、私が一番楽しみたいレクチャー『日本の装身具ハンドリングゼミ』です。
立ち上げはしましたが、これからより良く作って行く、意義の有る会にするのは、みなさんの力です。

ご協力よろしくお願い致します。

 

Copyright(C)2013 Jewelry Cultural History Study Group All Right Reserved